小動物対応電気柵「ビビットフェンス」
細かい網目、線間隔保持(樹脂製縦線)で接触を回避!
未来のアグリの親会社である前田工繊とのコラボして完成した新しい電気柵ネットです。従来からネットに電気を流すという方法はありましたが、それは主にシカやサルの対策として使われています(未来のアグリでも電牧ネット、エレキネットなどの名前で商品化しております)。これに対し、ビビットフェンスは、イタチやネズミなどの小動物の対策を念頭に開発されました。一体、これまでの電気柵ネットと何が違うのでしょうか?
シカ用電牧ネット(左) / ウサギ用ビビットフェンス(右)
写真の電牧ネットは緑色の部分にステンレス線が編み込まれており、状況の応じて1段ごとにプラスまたはマイナスの配線をします。シカ対策として考えたときには、シカの足が地面(マイナス)を踏んでいますのですべてプラスのほうが良いのですが、サル対策では、サルがネットをよじ登ったときのことを考えなければなりません、地面(マイナス)と接触していないサルは、プラスの線だけに触れても感電しないのです。ネットに飛びついたサルを感電させるためには、地面の代わりとなるマイナス線を配置し、プラス線とマイナス線を同時に触れるようにする必要があるのです。
ビビットフェンスにも同様のことが言えます。 足を地面につけた状態でビビットフェンスに触れるような動物、例えばアライグマやキツネ、ウサギ等は、全面プラス線として配置して問題がありません。この場合、通常のワイヤーで構成する電気柵と比較して、ワイヤー間や地面とワイヤーの間をすり抜ける、又は感電時にびっくりしてそのまま侵入してしまうということを防ぐことができるという点で優れた機能を持ちます。もっとも、ワイヤーの電気柵に比べて漏電の可能性がはるかに高くなりますので、防草シートの設置は必須といえます。(防草シートはステンレス線を編み込んだビビットシートがベター!)
一方、ネットに飛びついて越えようとするネズミのような動物に対しては、サルと同様にプラス線とマイナス線を配置する必要があります。この時に網目の大きなサル柵では大きな問題にはなりにくいのですが、2㎝程度の網目のネットで電牧ネット同様の柔軟な繊維を素材としたならば、プラス線とマイナス線が接触してしまう可能性が飛躍的に高まります。プラス線とマイナス線の接触ーそれは草の付着による漏電とはレベルの違う大漏電となり、電圧は一気に0ボルト近くまで下がってしまいます。当然ながら、そのような状態では動物は悠々と侵入してしまいます。
この問題を解決すべく、2㎝間隔で並ぶワイヤー(横線)に対して縦線が間隔保持材としての機能を果たすような硬い素材で作ればよいと考えました。試行錯誤ののち、親会社の協力を得て縦線の樹脂を熱により硬化させるとに成功しました。この製法により、わずか2㎝の間隔で並ぶワイヤーはネットが多少よれてもその距離を保ち、交互にプラスとマイナスに配線しても容易に漏電することのない新しいタイプの電気柵ネットが誕生しました。それがビビットフェンスなのです。
もっとも、プラス線とマイナス線を1組ずつ交互に配線するのは手間がかかりますし、ネット同志の接続も厄介ですので、現在、これを使いやすい形で提供できるよう準備を進めているところです。今後、ビビットフェンスの情
全面プラス線の仕様ではすでに商品化され、イタチ対策、アライグマ対策、ウサギ対策等で実績を積んおり、被害ゼロの良好な結果を得ています。
昨年イタチにやられまくったシャインマスカット、今年は無傷で収穫できました。
製品概要
素材:ポリエステル、ステンレス線Φ0.55㎜
シート全幅:480±20㎜ うち通電部360±20㎜
ステンレス本数:18本
目合い:ステンレス線 20±8㎜ / 繊維ストランド 15±5㎜
長さ:50(+0.3、-0)m
重量:230g/m